Microsoft Word2010 の文字カウント機能は要注意
提出する書類のフォーマットが、doc形式なので、仕方なくMicrosoft Word2010を使っていました。
英文を書いていて気がついた、「変な動作」というか、「変なカウントの仕方」なのですが、日本語文でも同様でした。
何が変かというと、「選択範囲を対象としたカウントができていない」ということです。
動作を細かく書きます。
例として作成したこの文書は、表組みを用いており、左上の欄に10単語、右上の欄に10単語、真ん中の大きな欄に100単語の、合計120単語となる文書です。
【条件1】何も選択せずにカウントを実行
これは、想定通り、文書の全単語数「120」がカウントされています。
【条件2】表のセル内の「文字列」を選択
これも想定通り、選択部分の単語数「55」がカウントされています。
【条件3】「セル」単位での選択
このようにセルを選択する矢印カーソルとなる位置でクリックして…
セル全体を選択。
結果は・・・あれれ?選択セル内の単語数「100」を期待したのですが、文書内の全単語数「120」がカウントされています。
【条件4】複数セルの選択
セル選択したままドラッグ(若しくは、文字列選択から開始して隣のセルまでドラッグ)して…
複数のセルを選択。
結果は・・・これまたあれれ?選択セル内の単語数「20」を期待したのですが、これも文書内の全単語数「120」がカウントされてしまいました。
文字数や単語数の指定がある場合に、Wordの「文字カウント」機能を使う機会は多いと思いますが、表の内部のみのカウントをしたい場合は、注意が必要です。
特に、複数ページにまたがるセルの文字数を知りたい場合には、セルの選択後に「文字カウント」を実行しがちだと思います。文字列のみの選択となっていれば大丈夫ですが、セルの選択になっているとNGです。
さらに言えば、「選択した複数のセル内の文字数」を一度にカウントする方法は、どうやら無さそう、ということになります。
(誰か知っていたら教えて下さい。)
…意図した範囲とは違う範囲の値とはいえ、カウント値自体は表示されるので、気が付きにくいというのも非常に問題が大きいと思うのですが・・・。
表組みを使用して、文字数をカウントする場合は、かなり注意が必要そうです。
追記: 更に不可解な動作を見つけてしまった・・・
「テキストボックス、脚注、文末脚注を含める」というオプションがあったので、試してみたら・・・更に不可解な動作を見つけてしまいました。
チェックに使用した文書は、前述の文書にテキストボックス(10単語)を追加したものを用いました。
詳細は以下のとおり。
【条件2-1】何も選択せずにカウントを実行
左下に、テキストボックス(※表組みとは違う)を追加してあります。
「テキストボックス...を含める」をチェックしない場合、予想通り、テキストボックスを除いた全文書(120単語)のカウントが出る。
「テキストボックス...を含める」をチェックすると、上記にテキストボックス内の10単語を加えた、130単語がカウントされる。
以上は、予想通りの動作。
【条件2-2】複数セルの選択(前述の【条件4】と同じ)
マウスドラッグで、2つのセルを選択。
単語数は、選択セル内の20単語ではなく、テキストボックス内を除く文書全体のカウント「120」となる。
これは前述の【条件4】と同じ動作なので、嬉しくはないが予想の範囲内。
「テキストボックス...を含める」をチェックすると、上記にテキストボックス内の10単語を加えた、130単語がカウントされる。
これも、前述の【条件4】の結果から予想できる範囲内。
【条件2-3】文書を前選択(Ctrl+A)してカウント
キーボードから「Ctrl+A」で、文書全体を選択。
「テキストボックス...を含める」をチェックしない場合、予想通り、テキストボックスを除いた全文書(120単語)のカウントが出る。
「テキストボックス...を含める」をチェックすると、上記にテキストボックス内の10単語を加えた、130単語がカウントされ・・ずに、なぜか「120」のまま!!!
結論:
テキストボックスを選択した状態で、「テキストボックス、脚注、文末脚注を含める」をチェックした状態で文字カウントを実行すると、テキストボックス内の文字がカウントされません!つまり、テキストボックス自体を選択すると、「テキストボックス、脚注、文末脚注を含める」のオプションが無効になります。(テキストボックス内の文字がカウントされない)
・・・なんじゃ、このわけの分からない仕様は。
期待する結果と違いすぎる…。
これはバグではないんですかね。仕様ですかね。
文句だけ書くのではなく、一応解決方法を。。。
【対症療法】
- カウントしたい部分を選択して、コピー。(表組みの複数セル選択もOK)
- 新規文書を用意し、「テキストのみ保持」で貼り付け。
- 文字カウントを実行。
※この方法だと、テキストボックス内の文字列はコピーされないので、個別にコピー&ペーストする必要があります。
こんな方法で、慎重に確認しないと、もはやカウントされる文字数を信頼出来ません。