「コクリコ坂から」

経緯

本当は、ハリーポッターを一緒に観に行こう、というところから始まった。
が。
上映情報を調べると、

  • 映画館A
    • 吹き替え版(2D)
    • 吹き替え版(3D)
    • 字幕版(3D)
  • 映画館B
    • 吹き替え版(2D)
    • 字幕版(3D)

字幕版の2D版が、どこでも上映されていない。。。
しかも、3D版を見ようとすると、ファーストショー等の安い時間帯はなく、\2,300はかかってしまう。

…いくら何でも、高い。。。
吹き替えは避けたいと考える人にとって、この選択肢の無さは酷い。


そんなわけで、相方は妥協して吹き替えの2Dのファーストショーで観ることに、そして自分は、どうせ必ず観に行くつもりだったので「コクリコ坂から」を(ファーストショーで)観ることにした。


毎度のことだが、時間ギリギリに到着。・・・ふう、今回こそ無理かと思った。
すぐに、別々のチケットを買い、館内へ。

ハリーポッターは11:00から、コクリコ坂からは11:15からの上映時間だった。


感想とか(ネタバレはたぶん無し)

そのスクリーンはあまり混んでおらず(せいぜい埋まってたのは20%位?)、いい席でゆったりと見ることが出来ました。

事前情報として知っていたのは、ゲド戦記宮崎吾朗が監督であること、主題歌は手嶌葵、原作は少女漫画、宮崎駿が描いたイメージボード、という程度。
ほとんど真っ白の状態で鑑賞しました。

先に総合評価ですが、個人的にはとても良かった。
特に、主人公への好感度がとても高いです。
気を張って頑張っている人、素直な人、一生懸命な人、・・・ちょっと理想的すぎると言えばそうですが、それほど現実離れしておらず、この時代にはそんな人達は確かに沢山いたのではないかな、と思わせるだけの確かに存在感もありました。

登場人物は、総じて真面目です。
そして、描かれ方がとても気持ち良い。

なんだろう、とてもさわやかな映画でした。


何かを変えようという熱気、行動力、それぞれの主張。
「まあ仕方ないか」「どうせ決まってることだし」「何をやっても変わらない」など言い訳をつけて、誤魔化してうやむやにしてしまうことが、驚くほど多くなっていることに改めて気付かされます。

真面目に考えて、きちんと自分の考えを持ち、正当に議論する。
当時は現在よりも不当に理不尽なことが山のようにあったと思います。
その頃よりは圧倒的に「自由」な現代。そのような世の中で、一体何をやっているんだろうね。真剣さが、平均的にとても少なくなっているような気がする。


その鬱憤を、映画を観て晴らしていてもどうにもならないわけですが、ちょっと体内の毒気が抜けた気がします。

この前観に行った「Super8」が、あまりにもがっかりで、ひどい作品だったこともあって、今回は本当に観て良かったと思えたことが嬉しかったです。

とりあえず、観た後すぐに、電話で両親にも勧めておきました。・・・時代への思い入れが強いぶん、団塊の世代にはぴったりかも?

その他気になったこと

レイアウトの仕事だと思うのですが、何回か、「??」と感じることがありました。
視点の高さというか、画の範囲というか。

座っているテーブルに、誰かが加わる際のシーン。立っている人の頭がフレームからはみ出た状態で歩いてきて、座ると顔が見える。(その間カメラは固定)
意図的にそうしているのかもしれないけど、なんか不自然で違和感を感じました。


それと、カットの切り替えが頻繁すぎるなあ、と感じることがたまにありました。


あと、このブログでも何回か取り上げていますが、私は谷山浩子さんの曲が好きです。
で、ゲド戦記の時に、谷山浩子さんの作曲、手嶌葵さんの歌で「テルーの唄」が使われたわけですが、手嶌葵さんの歌もとても好きになりました。

今回の主題歌や、劇中歌は、手嶌葵さんが歌うものも複数あったのですが、それを聞いていて、「あ、これはきっと谷山さんの曲だ」と思っていたら、案の定。
なんだか嬉しいですね。

劇中で歌うシーンで、手嶌さんが歌うところ、ちょっと浮いた感じはしましたけど。。。でも、曲はとても好きです。

そんなわけで・・・

個人的にはとてもお勧めです。
これを見ると、宮崎吾朗監督は、ゲド戦記以降ずいぶん勉強したのかもしれないし、あるいはゲド戦記という作品が合っていなかったのではないか、とも思います。
まあ、ゲドを経験してのコクリコ坂だと思いますので、複雑なところもありますが、そういうのを抜きにして、とてもいい映画でした。