「400ミリシーベルト」の意味

先ほど、ニュースで

3号機周辺で400ミリシーベルトを計測

と出ていましたが、これは 400[mSv/h] 、すなわち一時間あたりの放射線量のことでしょう。

先ほど書いたとおり、

400[mSv/h] = 400,000[μSv/h]

です。
これがどれほど異常な値なのか。



自然からは、年間 2.4[mSv] 受けるという。(Wikipediaより)
つまり、一時間あたりに換算すると、平均的には、

2.4[mSv]÷365[day]÷24[h/day]
= 0.000274 [mSv/h]
= 0.274 [μSv/h]

放射線に、我々は日常さらされていることになる。
これが問題のない、“通常の”被爆量である。

それからもうひとつの比較基準。
放射線業務従事者の年間被曝線量は最大で 年間50[mSv]以下、かつ 5年間で100[mSv]以下とのこと。


それと、よく「レントゲン何回分」のような比較が出てくるので、その量を。

http://sandakan.org/kikyou/xray.html
にある画像(「日本医学放射線学会雑誌64(2004年)」などから抜粋)の孫引きによると。(施設によって大きく異なるとのこと)

  • 一般X線
  • X線CT
    • 頭部 2.4[mSv]
    • 胸部 9.1[mSv]
    • 上腹部 12.9[mSv]
    • 下腹部 10.5[mSv]
    • 集団検診
  • 胃(透視) 0.6[mSv]
  • 胸(撮影) 0.06[mSv]

他に、ソースにより違うけど、

  • ニューヨーク-成田往復 0.19[mSv]


400[mSv/h]ということは、胸部一般X線の 0.4[mSv] とで換算すると、1,000回分に相当します。しかも、一時間毎に。

これは、この場所にいると、3.6秒ごとに一回、レントゲンを撮り続けることに相当します!!


そして、この場所で、放射線業務従事者が作業可能なのは、

50[mSv]÷400[mSv/h]
= 0.125[h] (0.125時間)
= 7.5[min] (7.5分)
= 450[sec] (450秒)

となります。
基準を守ると、10分も作業できない。(そのあと1年間は放射線浴びられません)


先に上げた、自然界から受ける 0.274[μSv/h]と比較すると、1,459,854倍 ≒ 146万倍 です。


仮に、寿命を100年として、自然で一生の間に受ける量は

0.274[μSv/h]×24[h/day]×365[day/year]×100[year]
= 240,024[μSv]
≒ 240[mSv]

です。この一生分を、

240[mSv]÷400[mSv/h]
= 0.6[h] (0.6時間)
= 36[min] (36分)

36分。
一生分の被曝を、わずか36分で、(寿命を60歳とすると、わずか 22分 ほどで)受けてしまう計算です。


...恐ろしい強さです。




これは原子炉直近での測定値でした。
ですので、今のところ、近寄らなければこんなことはありませんが、極めて危険であることに変わりはありません。