アナログ放送終了

本日の正午で、地上波のアナログ方式のテレビ放送が終了します。
(ただし、地震で大きな被害を受けた、岩手・宮城・福島では2012年3月末とのこと。)

Wikipediaによると、

1953年(昭和28年)2月1日 - 日本放送協会 (NHK) のテレビ放送開始(日本での地上波テレビ放送の開始)

1956年(昭和31年)12月 - NHKのカラーテレビ実験放送開始(UHF帯を使用)
1960年(昭和35年)9月10日 -カラー本放送開始
1968年(昭和43年)10月1日 - 福島テレビのカラー放送開始により民放テレビ先発局のカラー化が完了

1978年(昭和53年)9月28日 - 日本テレビが世界初の音声多重実用化試験放送を開始

モノクロテレビ → カラー化 → 音声多重化 の順に進んでいったらしい。

ここで強調しておきたいのが、例えば1953年の放送開始時に使われていたテレビ受像機は、今現在使用してもなお、番組の視聴が可能ということ。
カラー化後も、モノクロテレビで問題なく視聴可能だったし、音声多重番組でも、当時の受像機で確実に音が聞ける。


これは、デジタル化後には全く不可能となる。


白黒→カラーの技術は、ものすごく巧妙に考えられていて、まさに「工学」そのもの。
下位互換性を保って、これだけの長い期間、改良を重ねながら使われてきた技術が、ほぼ捨てられてしまうというのは、なんというか、寂しく感じる。
逆に言うと、それだけ無理をして使ってきたわけで、デジタル方式という、全く新しい技術を取りれたものに完全に切り替わるというのは、必然かもしれない。

でも正直、今日停波することが決まった、というニュースを聞いた当時は、本当に停波することが出来るのか、かなり疑わしく思っていた。
デジタルの受信機の普及率の低さもあるし、多くの人は別にHDじゃなくてもいいし、双方向メディア(笑)としてテレビが必要とも言えないし、画質に関しても、それほど気にしていなかった。

停波までに、5000円以下のアナログ受信装置を開発する、というのも、実際ここ一年を見ると実現できてしまっている。

(今年の大地震の影響を考慮して、一部地域ではアナログ放送が継続される、というのは、もしかすると別の理由もあったりして。。。)



ただ、地上波をデジタル化するというのは、実は理にかなっていないらしい。
デジタル化するのなら、どうせ受信機を全て更新しなきゃいけないし、どうせなら全てBS(衛星放送)にしてしまったほうが、設備的にも簡易で、しかも高画質にできるとのこと。
(※解像度は、地デジは 1440×1080 、BSデジタルは 1920×1080)

電波利権関係の、かなり無理やりな力が働いた結果らしい。
既得利権を守るために、非効率なこと、工学的に理に叶わないことをゴリ押しすると、後々色々と大変なことになりそうで心配。
B-CASカードしかり。こういう機会は、そうそうあるものではないのだし、そう言うのを抜きにして、真面目にやってほしかったものだ。


原発関係と、テレビを主とした放送関係。
かなり似たような、良くない構造があるように思えてならない。

そんなわけで…。
うちにある、アナログチューナのみ内蔵の、32型液晶テレビでは、今後放送が映らなくなりますね。
HDMI接続で活用できるようにしないと。(目を付けている地デジチューナは、ここ数ヶ月で価格が上昇に転じている。値段が下がらないか、後一ヶ月は様子見かな…。待ちすぎて、市場から無くならないことを祈っていますが。
映らなくなったことで、急に需要が増えそうな気もする。)


先日も、ゴミ置き場に明らかに不法に捨てられたブラウン管テレビがあったけど、今後一ヶ月間で、猛烈な数のアナログテレビが不法に廃棄されるのではないかと思う。
そうなる前に、明らかに予測がつくことなのだから、先手を打った対策をしておくべきだったのではないかな?